タイの公立高校では「日本語学科」が増えている
先週、日本語クラスの高校1年生のグループが、鼻息荒く職員室に駆け込んできた。
「先生!さっき中国語のクラスがうちわを作ってた!!私たちも何か作りたい!!」と。
つい最近も、「さっきドイツ語のクラスがウインナー焼いてた!私たちも何か焼きたい!」と言っていたのを、ホットプレートが足りないと言って断っていたので、今回はちゃんと要望に応えないと…と、ふと思いついた「てるてるぼうず」を提案。
すると、「てるてるぼうず??」とノリがあまりよくなかったので、ググって画像を見せると、「これってまさか…一休さんに出てくる吊るされた人形!?」と食いつきよし。
そこから一気にみんなテンションマックスになり、作りたい!今すぐ作りたい!と言うので、私もすぐに生地屋に飛んでいき、白い布をゲット。
次の日の授業は急遽、てるてる坊主を作ることになった。
その日は朝からウッキウキの高校一年生
3時間目、教室に行くと、満面の笑みで待っていた生徒たち。
まずは前日ググった情報を、あたかも「日本人なら知ってますよ」の顔で、てるてる坊主の由来などをパワーポイントを使って説明。
みんなの、そんなことより早くてるてるぼうずを作らせろよ圧に負けて、正方形に切った白い布と再生紙2枚を慌てて配布。
再生紙2枚をキレイに丸め、セロテープで形を整える。それを白の布で覆い、首元を輪ゴムで固定。最後に好きな顔を描く。
こんなん日本の小学校の図工でやったら、なんとか小2までの生徒がギリ盛り上がってくれるレベルだと思うが、タイ人の生徒にとっては、とても楽しいことらしく、思春期の男の子もこの通り、みんなワイワイてるてる坊主作りに精を出す。
ペンを配り、発想豊かなタイの子達が描いた顔がこちら。
猫だ!!かわいい。耳の中とほっぺたがオレンジ色なのもかわいい。
そろそろみんな顔を描き終わった様子。
描き終わった人から窓にてるてる坊主を吊るそう!
てるてる坊主を思いっきり縛り付けていく。
おお…どっさりいるねぇ…。
これぞ「タイスマイル」!純粋無垢な笑顔がかわいい~。
どのてるてる坊主も表情豊かでかわいらしい。にしても猫率が高いな。
個人的に大好きなのがこのてるてるワンちゃん。ビーグル犬かな?かわいすぎる~。
44人いるので、てるてる坊主も44体。
この子のてるてる坊主はパンクな感じで個性的。お友達と差をつけている。
吊るす前に、記念撮影も忘れずに。
常夏の国なのに、教室に「あれ」がない!?
ここまで見て、「あれっ、タイは年中夏なのに、この教室エアコンなくない?」と思った方もいるだろう。
そうなのだ、タイの公立の学校は、教室にエアコン無しが多い。そして案の定暑い。
暑さに強いタイの子でも、午後の授業にはバテてしまっている子もいる。
そして教師も辛い。汗だくになるので、うちわで扇ぎながらの授業になる。
もちろん化粧は土砂崩れ、夕方には手の施しようがなくなっている。
教室には一応天井に扇風機がとりつけてあるが、掃除もされていないし、たまに中でスズメが死んでいて、うっかりスイッチを入れてしまって大惨事になることもある。
さて、1時間かけて作ったてるてる坊主はみんな窓に吊るされ、風になびいている。
最近ほとんど雨が降らないのは、単に乾季になったからではなく、この子達のてるてる坊主のおかげかも?

