タイあるある

【殺されかけたけど】タイ人の丸く収まった感がすごい

タイは珍事件がよく起こる

タイに住んでいると、日本じゃなかなか見聞きできないようなハプニングが二週間に一回ぐらいのペースでお目にかかれるのだが、新年早々、早くも【今年上半期びっくり大賞トップ5】にふさわしい事件が起きた。

2ヶ月前に2週間ほどの休みがあったのだが、その休み明けに丸坊主になって出勤してきた同僚のタイ人女性マディーさん(仮名)がいた。「休みの間、出家したの。」と言っており、そうかだから丸坊主になったのかと納得していたが、その出家理由が日本じゃ中々ないぶっ飛んだ理由だった。

その前に軽く触れておくが、タイでは、出家できるのは男性のみで、女性の場合、正確に言えば仏教修行者(メーチー)にあたるが、髪を剃り落とし、厳格な十戒を守って修行したマディーさんはまさしく「出家した」という言葉がぴったりだった。

マディーさんの出家理由

さて、マディーさんの出家理由に話を戻そう。彼女はご主人と子どもの三人暮らしなのだが、最近ご主人の帰りが遅いことに疑問をもった彼女は、彼のスマホを見たところ、案の定、どこの馬の骨だか知れない女性と浮気をしていたのだ。

これが日本人女性だと、パニックになりつつもどこか冷静に、とりあえず証拠を押さえたり、過去のやりとりをさかのぼって時系列である程度の関係を把握したりすると思うのだが、ここはタイ。タイ人女性は浮気を発見した5秒後には浮気相手に電話をし、怒鳴り散らすタイプが結構多い。

普段はお茶目なマディーさんもその一人で、速攻で浮気相手にライン電話(しかもビデオ通話)をして、鬼の形相で怒鳴る、叫ぶ、罵倒するなどを一通りした後、満身の力を込めてご主人をボコして終了。

ご主人は泣きながら謝り、その浮気相手を自宅に呼んで話し合いをすることになったらしい。怒り心頭のマディーさん、小生意気な浮気相手もボコす気満々で待っていたところ、浮気相手はうちに来るなり床にひれ伏し、「もう二度とご主人には近づきません、電話番号もすべて変えました、私は田舎に帰ります」と、食べ物や飲み物をたくさん持って来て奥さんに何度も何度も謝ったのだ。

まさかの展開

マディーさんはあまりにも低姿勢な泥棒猫に拍子抜けしたのか、長期間の浮気でもないしと許すことにした。彼女が置いて行ったお詫びの品々を見ると、タイの人気チェーン店で買ったアイスコーヒーがある。

マディーさんはそれを飲みながら、果物やお菓子が詰まった袋の中を物色していたら、突然気分が悪くなり、それと同時に視界がぼやけてきたらしい。

体が震え、自由が利かない。床にしゃがみこみ、意識も遠のく。ご主人のマディーさんを呼ぶ声がだんだん遠くなり、そこで意識がなくなった…。

目が覚めた時にはかなりの時間が経過していた。幸い命に別状はなく、数日の入院で何の後遺症もなく退院できた。

ここでみなさんもうお気づきだろうが、浮気相手が置いていったアイスコーヒーの中に毒が盛られていたのだ。普通にガチの殺人未遂だ。

マディーさんは殺されかけたにもかかわらず、終始その話口調は、ちょっとしたハプニングでも話すかのように普通に話してきた。

一番の解決方法

「その浮気相手はどうなったの!?今刑務所にいるの!?ご主人は!?マディーさん今体調はどうなの!?」と、質問攻めにする私に

「プカちゃん落ち着いて。彼女はもう田舎に帰っちゃって連絡とれないし、彼女がコーヒーに毒を入れたって証拠もないし…私ももうすっかり元気だしさ!

それに、旦那が責任感じてるみたいで今は別人みたいに優しくなったし。でも、毒を盛られたなんて私本当に運が悪いなー!って思ったから、運気をあげるために出家したの。だからもう大丈夫よ!」と。

運気がどうのこうの以前に殺されかけたのに、なんかそれはそこまで気に留めていないご様子。

殺されかける=運が悪い証拠→出家して運気上げれば一件落着!なタイの方程式に、タイ在住歴15年のプカちゃんも驚きを隠せませんでした…。

ちなみに、殺人未遂犯(浮気相手)が置いて行ったチキンパイはかなりうまかったとご主人も絶賛していたそうです。